「膝の違和感」の原因
先日お越し頂いたお客様から
「痛みはないけど、階段を登るときに右膝内側に違和感が出る時があった。今はない。」と。
早速その場で屈伸運動をしてもらうと、右の股関節が外に逃げるような動きが顕著に出ている。仰向けで改めて股関節や足首の可動を診て見ると確かに症状の出ている膝周りに強張りがある。右側股関節と足首、大腿(太もも)の筋肉を調整して筋肉の硬さは左右が揃ったように見える。一旦ここで患部から離れる。
その上で、腹部や左股関節の動きを診て見ると、それぞれやはりあまりよろしくない。特に左の股関節の屈曲動作(お腹に近づける動き)に重さ鈍さが出ている。この場合、鼠蹊部や下腹部にエラーがある事が多い。左の股関節周りを腹部の方まで徒手で緩めながら股関節の可動を作るが鈍さが抜けない。
一度立ち上がって、再度屈伸運動をチェック。右の動きは滑らかになるが外へ逃げる動きは変わらない。同時に、最初には気にならなかった左の膝周りの硬さが目立ってきた。
ここの時点で、右膝に原因はない事がわかる。代償の結果としての違和感である事がわかる。さて「左の股関節〜膝の動きを悪くしている原因はなんだ?」と改めて設定(主訴)を更新して考え直す。
筋肉や骨格以外の影響を考えると、経絡の左の胃経が怪しい。という事で、胃経のライン状を色々調整。すると、さっきまでの重く鈍い動きは抜けた。
再度屈伸運動するとほぼ左右差はなくなった。症状が落ち着いたところで仕上げに全身のバランス調整しておしまい。
右膝の違和感の原因は、胃のお疲れの影響が強かったようです。
月一回のご来店のお客様なので後追いがすぐできないのがもどかしいですが、強い痛みは出ていないので大丈夫でしょうという事で、来月改めてしっかり後追いします。
ここではTLテクニックは使ってません。従来の徒手療法をベースに「チェック→調整」を繰り返しながら隠れている主訴をあぶり出して原因を見つけていく。TLを使う使わない関係なく、yarn松山の整体の基本となる考え方進め方です。
今回のように従来の手法ベースでスムーズにいく場合もあれば行かない場合もあります。
スムーズに行かない場合は、あらゆる階層のエラーが複雑に絡み合っている事が多く、そうなるとどうしても時間も回数もかかります。その場合はTLテクニックを駆使して短期集中で調整していくのが一番オススメです。