姿勢とワラーチ

以前にもこのブログで姿勢について書きましたが(http://seitai-yarn.com/2020/05/24/「姿勢」の話/)、今現在の私の言葉で改めて書き綴ってみます。

松山にとっての「正しい姿勢」は「ニュートラルポジション」と言い換えれます。最小限の筋出力で行う「立つ」という運動。できる限り脱力が出来ていて、必要以上の力みが無い状態。呼吸も深く自然に入れている状態。そして身体に軸が通る。これを理想と考えています。

いわゆる「壁立ち」や、「背筋を伸ばして胸張って〜。。。」という、一般的に良いと思われがちな姿勢は松山的には「見た目はいいけど疲れやすく、不調になりやすい姿勢」です。このような姿勢にしようと「頑張って」その形にしている事が多く、結果的にあちこちに局所的な過剰な筋緊張が生み出されています。

過剰な筋緊張と言うとイメージしにくいかもしれませんが、腕の力こぶを作ってずっと力を入れ続けてたら、数分で疲れちゃいますよね。ちょっと極端ですが、「頑張った綺麗な姿勢」ではこれに近い状態が身体中あちこちで起きています。

緊張を強いられている場所は血流もリンパの流れも神経も圧迫され不調へ向けてまっしぐら。局所の緊張は徐々にその隣、またその隣へとどんどん波及し全身が筋緊張しっぱなし。そしてそれが当たり前になり、「ニュートラルな状態」が自分でもわからなくなり、力が入ってる自覚もなくなり、力の抜き方すらわからなくなってしまうのです。

不調の原因は色々あり、外部からのアプローチによる「整体」を必要とする場合も多くあります。一方で、自分で姿勢をコントロールできて、脱力と呼吸の意識を日々から高めていければ、それだけで軽減できる不調もたくさんあります。そのためにはニュートラルを作り、体感することが大切な第一歩となります。体感できたらあとはそれを続けるだけ。

では、ニュートラルを作る(戻る)ために何をするべきか。色々ありますが上記の文脈から深掘りしていきましょう。

ニュートラルのための条件として「最小限の筋出力」「必要以上の力みのない状態」と書きました。これだけ書くと「???」となりますね。これを筋肉の種類に置き換えます。

「最小限の筋出力」→インナーマッスル

「必要以上の力みの無い状態」→アウターマッスル(ボディビルダーのような外側のムキムキ系)

つまり

「インナーマッスルが適切に働き、アウターマッスルの余計な緊張が無い状態を作る。」

これが、ニュートラルポジション(松山の考える「正しい姿勢」)の一番の基本的なところになります。外からみた「カタチ(シルエット)」はここでは問題ではありません。それはあくまでも結果の話です。中身からしっかり作り上げなくては意味がありません。

この辺りのインナーマッスルを使えると理想ですね。

そして、次に大切になるのが、「重心位置」です。立位において、身体の土台は骨盤ではありません。足です。足裏のどこに重心があるべきなのか。ここが抜け落ちてしまえば、どんなに上物(足首から上全体)を整えてもすぐにバランスはおかしくなり、過緊張は生まれ、ニュートラルを見失い迷子です。

「ニュートラル」であるためには骨構造への理解も大切です。難しい解剖学では無いですが、最低限の理解と認識を変えるために画像を参考にしてみてください。

この図を見て、どこに重心が乗ると、身体に余計な緊張が生まれにくいでしょうか。

はい。そうです。脛の骨の下です。そしてもう一つ、踵は「L字」ではなく、「T字」です。

ここを理解せずに「正しい姿勢」の話を進めて行くのはとても危険だと感じています。逆に、ここをしっかり捉えていけることで、「ニュートラル」の状態がどんどん身体に馴染んできます。馴染めば馴染むほど、どこかに緊張が強く出ればそこに気付きやすくなります。

ただし、足に関しては「靴」の問題があります。ここまでの話を理想的に再現していくためには、究極は「裸足」が理想です。靴を履くことで、姿勢バランスは崩れ、足裏の感覚も鈍るため重心位置が迷子になり、余計な筋出力が生まれやすくなります。とはいえ、靴を履かない生活はなかなか難しいのが現実。裸足で生活するのは実際問題非現実的。。そこで登場するのが「ワラーチ」です。限りなく裸足に近い感覚で居られるサンダル、です。日常の中で、許す限り裸足や、このワラーチで生活することで、足裏の感覚が育ち、重心位置を正しくコントロールしやすくなります。

「足の構造を認識し、常に重心位置を感じ取れる足裏感覚を育てる。」

姿勢を理解すること、身体を観察できるようになること、日々から身体の感覚を養うこと。これらが結果としてご自身の身体を丁寧に扱うようになり、自分の身体との向き合い方が上手になるはずです。

極端な表現かもしれませんが、現代の生活様式において不調の出ない生活は難しいです。

視点を変えて、「不調とどう向き合うか。いかに速やかに不調を解消するか。そのためにどうするか。」と捉えながら身体を面白おかしく捉えていけるとそれだけでなんだか少し、日々の生活に余裕や楽しみが増えるんじゃないかなと。

ちょっと話が逸れました。。

まとめると、

「インナーマッスルが適切に働き、アウターマッスルの余計な緊張が無い状態を作る。」

「足の構造を認識し、常に重心位置を感じ取れる足裏感覚を育てる。」

この二つが、正しい姿勢への大事な足がかりになると考えています。この考え方が皆様のお体の悩みや疑問の解決、再発見のお手伝いができれば幸いです。

頭のてっぺんから、内くるぶしの下に軸が通った状態。

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