施術空間について

私が空間作りや周辺環境をとても大切にしているのは、私が大学で建築を勉強していた事が大きいと思います。建築学科の中でも環境工学の分野で、光環境を中心として音や色彩、空間の広さや素材などの違いが、そこにいる人の行動や心理にどのような影響を与えるか、という事を研究していました。

そのような勉強をしていたからか、今こうして自身のサロンを構える事ができるようになった時、いかにお客様が心地よくストレスなく過ごせるかを徹底的に考える事から始めました。

施術においては、基本はお相手の身体に触れて(皮膚や服の上から)、内部組織(皮膚の内側)へアプローチし、身体を整えていきます。

一方で、空間は皮膚の外側の話です。その境にある「皮膚」はセンサーです。外界の情報を皮膚がキャッチします。皮膚からの情報以外にも、視覚聴覚嗅覚で人は外の情報をキャッチし、処理し続けています。

その時に入力される情報が「不快」なものであれば人は拒絶反応や防御反応で緊張します。快適で心地よいものであれば余計な緊張は生まれにくいものです。

空間が良ければなんでも治るという事ではないですが、少なからず「余計な緊張を作らない」という意味ではとても大切な要素だと考えています。それはお客様だけの話ではなく、施術者である私自身にも言える事です。私が余計な不快感を感じずに、快の状態であればそれだけで施術効果も上がります。私の緊張や力みはお客様に伝わってしまいます。空間が整っていない、良い気が流れていない場では、なんだかおかしなことになりがちです。

「快/不快」 「 良/悪」 「 好/嫌」 などは結局は個人差があります。正解はありません。

が、人は皆動物で自然の一部です。人工物より自然環境に近い方が本能や無意識レベルで「快」になる事がとても多いものです。そんな思いや考えのもと、サロンの空間作りをしております。

治療院や整体院に対し、癒しやリラクゼーション、という言葉を毛嫌いしたり揶揄する人もいますが、私は必要な要素だと思います。限られた貴著な時間を割いて施術を受けに来て頂く皆様に、少しでも快適な空間と時間を提供するのは当然の事だと思っています。

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