「姿勢」の話

□そもそも「正しい姿勢」とは

日頃、姿勢についての記事などを読んでいると「この姿勢はダメで、これが正しい姿勢です。そのためにはこうしましょう。」という記事が多い印象があります。

それぞれを取り上げて揚げ足をとるような事に興味はないのですし、どれもが決して間違っているわけではないと思っています。ただ、一般の方がその記事や説明を言語情報や画像や動画などの視覚情報だけで正確に理解できるかと言えば、正直難しいと思います。見よう見まねや、誤った認識で鵜呑みにしてしまったが故に、体の調子が悪くなっている方が非常に多いのが現実です。

まずは、何を持って「正しい姿勢」とするかを今一度考える必要が大事で、伝える側指導する側もその事からしっかりと伝えていかなければならないと日々強く感じています。

□何を目的とするか

私自身が、クライアントさんと姿勢のお話しをする時は、目的から伺うことが多いです。「目的」というと何だか大それた事のように聞こえるかもしれませんが、もう少しライトな感じでざっくりと、

「静止状態で、周りからピシッとしてるようにみられるため」

「楽に長時間立つため」

「動き出しやすいため」

「体を休ませるため(座位含む)」

「長時間のデスクワークを楽にこなすため」

など、ざっくりとこのくらいのカテゴリ分けをします。そして、一度「正しい姿勢」という概念を忘れてもらうようにお伝えします。人間は動物であるという前提で、動くための体の使い方、休むための体の使い方、それぞれがある中である特定の一つの状態を保つ事自体がナンセンスである事を認識することが何より大事です。それを理解して頂いた上で、改めて「正しい姿勢」を再構築して行くことがとても重要だと考えています。

この再構築する「正しい姿勢」というのは言い換えると「ニュートラルポジション」です。色々な使い方をする上で、使う前使った後の戻るべき場所。この表現も誤解を招く可能性があるので、断りを入れておきます。スポーツやダンス、ヨガやピラティスなど様々な「運動状態」の中での体の使い方の変化、使い分けに関しては例外になり得るのであくまでも一般の方の日常生活や、運動愛好家(アスリート)が運動から離れた時のニュートラルポジションと捉えてください。

そのニュートラルポジションは、体に蓄積した歪みや癖がある場合、なかなか再現が難しいです。ですので、施術や比較的簡単な体操(A-wearなど)を通して再構築していく事が、姿勢の悩み対する一つのアプローチとしてとても有効となってきます。

□ニュートラルポジション

これに関しては、実際に体感して頂くしかない。というのが本音ですが、あえて拙い表現でお伝えすると、

立位において「立ってる感じがなく立てる状態」「足裏がべったりと地面についてる感じ」です。

ニュートラルであれば、立位の姿勢を作る上で局所的な筋肉の過緊張が無いはずです。つまり筋肉を使ってる感覚がなくなる。という事です。その状態から重心を移動させ不安定を作る事で筋収縮が起き、動きが生まれます。また、足裏に関しては、支持基底面という言葉がありますが単純に接地面積が広い方が、上物(体)は安定します。力みが必要なくなります。

結果としてこの感覚が出てくる事を一つの指標にしますが、そのためには全身調整していきます。猫背だから、丸まった背骨伸ばしてOK、とか骨盤が後ろに丸まってるから前傾にしてOK、など、局所的な調整だけではなく、神経の伝達や腕の捻れ、足指の機能低下、内臓の下垂など、様々な原因の蓄積が姿勢の崩れを引き起こしていますし、逆も然りです。

ですので、yarnでは、姿勢改善と辛い症状へのアプローチを明確に分けることはせずに統合的に施術させて頂いております。

姿勢が変われば体も変わる。体が変われば心も変わる。よく聞く言葉かもしれませんが、結構本当です。

□まとめ

姿勢の事を文面などでお伝えする事はとてもリスクがある事は冒頭でも書かせて頂きました。この記事では「これが正しい」という話はせず、むしろ世にはびこる「正しい姿勢」を一度疑って、ご自身の体と向き合い直すきっかけになって欲しいという思いで書かせて頂きました。実際に体感してみたい、姿勢の事で悩んでる。などありましたらぜひ一度お身体見させてください。

□補足

参考程度に。

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